歴史的に「手技療法」を掘り起こそうとすると、その起源は明らかではない。
『手技整形学』によれば、
印度の導引に源を発する…
古代エジプトでは転位した脊椎骨を矯正して疾病を治療しつつあった…
手を用いた操作をギリシア初期の医術者が用いた…
アメリカ・インディアンには、今日現存する手技療法によく似た方法が種族間で行われていた…
古代ボヘミアで、脊柱の異常で病気が起こると考えられていた…
バラモン教の慈愛の行為として行われていたバラモン導引があり、それがエジプトに渡り、その後ギリシアにおいて医聖・ヒポクラテスに採り上げられた…
など、いろいろな起源論、説がある。
この辺りも、それぞれ掘り起こしていくということは、それぞれの国のそれぞれの歴史そのものを知っていくということになるだろうか?
いづれにしても、本能的な領域、「思わず手が出る」「必死の思いで手を当てていたらよくなった」的な経験値がそれ以前には無数に存在し、その蓄積があって少しづつ体系化していった…と考えられるだろう。
さて、
この日本において、手技療法が本格的な発展、新しい理論開拓へと進んだのは大正末期から昭和初期になる。
そして第二次大戦後、さまざまな制度改革が進められるなか、医療制度の改革も進められた。
無数の、民間療法者たちが立ち上がったのは、その時だった。
(続く)