巡り合わせの妙、というのは、人がその人生を生きるうえで、何度かは経験しますよね。
あの時この出来事がなければ…とか、あの人と会ってしまったから…とか。
僕からすれば、人生というのはそういう巡り合わせの連続だと思うのですが、そういうなかでも時折思い起こされる出来事というのはあります。
過去を振り返っている、この「回想」シリーズ(?)。
書いているといろいろ思い出すのですが、その思いだされた出来事を今回は。
前回(その3)、チラシを蒔いたという話を書きました。
それで来た方というのは、もちろん近所の方になりますが、その当時は東京の多摩地区にいたんです。
女性の…たぶん、その当時40代半ばくらいだったかなと思うのですが…。
あちこち痛い、股関節が動きにくいという主訴だったと記憶しています。
開業直後とはいえ、それはそれなりに研鑽を重ね、一通りの身体症状は調整できる用意はしての開業です。
もちろん、その場は楽になったといって家路につかれました。
ところがその翌日、男性から電話がありました。
「…あのさ、ウチのが股関節痛くて立てないって言ってんだけど」
その時、顔から血の気が引いたのがわかりましたね。
まあ、そこでとりあえずそちらのご自宅に伺ってみることにしました。
そうすると、
確かに痛い痛いといってはいるけれど、いろいろと観てみるとどうもアヤシイ…。
全然、異常が見つからない。
その場は調整して収めたものの…
「このまま痛みがひかなかったら」、といって「請求するぞ」ときました。
「…あ、きたな」と、思いました。
痛みがひかなかったら、といっても何もないのによくいう…とは思いましたが、そこは丁重に対応。
それにしても開業直後にこういう出来事に出合うのかと、その当時も巡り合わせの妙を想いました(笑)。
結局、
その後は先方からの連絡はなく、何事にもならず終わりました。
どうやらその地域はもともといろいろと不穏な地域だったらしく、それ以降、チラシを蒔くのはヤメにしました。
時代の流れ、地域の特徴、個々人の「常識」の変化…
これ以降もいろいろ、人間というものの性質を垣間見る出来事は起きるものの、やはり最初期に経験したことというのは、鮮明に記憶に残っているものですね。