デビューしたての頃というのは、ほとんどが出張でした。
日々の暮らしは、もともとやっていた仕事と兼業していたので、そちらをアテにさせていただきつつ、自分の腕磨きと実践の経験を積み重ねていく、という日々でした。
…というと、意気揚々とあちこち忙しくしていたイメージを持たれるもしれませんが…
その地域に何のコネもツテもなく、広告宣伝にかけるお金などなく、友人も地方出身者ばかりで、そして今のようにネットもスマホもSNSもない…という前提条件で考えてみてください。
「人に来ていただく」ことが条件となるこの業態…ホント、その当時どうやってたんでしょうね、ワタシ(笑)。
施術オフィスは東京の多摩地域でしたが、縁あって繋がったご家族は横浜市の方でした。
そちらまで出張、電車でコトコト1時間…半くらいだったかな。
社交的なご家族だったので、そのお宅には毎回のように違う方が施術を受けたいと来てくださっていました。
ほとんど毎週行っていた記憶があります。
まあ、人間はいろいろです。
膝関節の痛みの主訴でそこに来られた方がいました。
最初はもちろん、膝を中心に施術プランを設計し、実際の調整を行うということをやっていました。
けれども、回数を重ねるごとに、本当の主訴はそこではない、ということに意識がいくようになりました。
その方とは、そのお宅に出張に行かなくなった後も、その後10年以上のご縁となったのですが…
単純に「不調が改善」「よくなる」「痛みがなくなる」ことが施術、調整ではないということを、その方を通してかなり学ばせていただいたなと、思います。
もちろんこれらは必須の条件ではあるのですが、それだけでは、ないんですよね。
ともあれ、
こうしたいくつものご縁で1999年から、横浜市青葉区で施術オフィスを開くことになりました。